DaVinci Resolve 使い方完全ガイド【2026年版・初心者向け】
DaVinci Resolve の使い方は、メディア→カット→エディット→Fairlight→デリバーの5ページを順に覚えれば初心者でもスムーズに習得できます。
はじめに
DaVinci Resolve をインストールしたものの、画面を開いた瞬間に「何から始めればいいかわからない」と戸惑っていませんか? DaVinci Resolve には7つのページ(Media、Cut、Edit、Fusion、Color、Fairlight、Deliver)がありますが、初心者はまず以下の5つのページを覚えれば十分です——メディア、カット、エディット、Fairlight、デリバー。FusionとColorは中級者以降で学べば問題ありません。
この記事では、初心者が最初に押さえるべき5つのページの使い方を順を追って解説します。素材の読み込みから書き出しまで、動画を1本完成させるために必要な操作を一通りカバーしています。
DaVinci Resolve認定トレーナーとして延べ1万人以上の受講者に動画編集を教えてきた経験をもとに、初心者の方が本当につまずくポイントに焦点を当てて解説していきます。
DaVinci Resolve とは — 無料版と Studio の違い
DaVinci Resolve は、Blackmagic Design が開発するプロフェッショナル向けの動画編集ソフトです。最大の特徴は、商用利用可能な無料版が存在すること。ハリウッドの映画制作でも使われるツールが、誰でも無料で使えるという点は他のNLEにはない大きな魅力です。
無料版でできること
無料版は「機能制限版」というよりも「ほぼフル機能版」と言ったほうが正確です。カット編集、テロップ挿入、音声編集、4K書き出しなど、動画制作に必要な基本機能はすべて揃っています。YouTubeやSNS向けの動画であれば、無料版だけで十分に制作できます。
Studio(有料版)で追加される主な機能
- GPU アクセラレーション: ノイズリダクションやレンズ補正など重い処理の高速化
- ステレオスコピック 3D 対応: VR・3D映像の編集
- マルチGPU サポート: 複数GPUによるレンダリング高速化
- 高度なノイズリダクション: AIベースの時間的ノイズ除去(空間的NRは無料版でも利用可能)
- 解像度上限の解放: 無料版は最大4K DCI、Studioは32Kまで対応
- DaVinci Neural Engine の全機能: AIベースの各種自動処理
初心者の方は、まず無料版から始めて「もっとこの機能が欲しい」と感じたタイミングでStudioへのアップグレードを検討するのがおすすめです。
メディアページ — 素材の読み込みと管理
メディアページは、DaVinci Resolve を開いて最初に使うページです。画面下部のアイコンで左端に位置しています。ここでは撮影した動画素材、音声ファイル、画像などをプロジェクトに読み込み、整理する作業を行います。
素材の読み込み方法
素材の読み込みは非常にシンプルです。画面左側のメディアストレージからフォルダを辿って素材を見つけ、画面下部のメディアプールにドラッグ&ドロップするだけ。Finder や エクスプローラーから直接ドラッグすることもできます。
ビンを使った素材整理
プロジェクトの素材が増えてくると、ビン(フォルダのようなもの)で整理すると作業効率が大きく変わります。メディアプール上で右クリックし「新規ビン」を選択すれば作成できます。
おすすめの整理方法は、撮影日別、カメラ別、シーン別など自分のワークフローに合わせたカテゴリ分けです。延べ1万人以上に教えてきた経験から言うと、素材整理を最初にきちんとやるかどうかで、その後の編集スピードに大きな差が出ます。
メタデータの確認
メディアページでは、各素材のフレームレート、解像度、コーデックなどのメタデータを確認できます。特にフレームレートはプロジェクト設定と一致させる必要があるため、読み込み時に確認しておきましょう。
カットページ — 高速カット編集のワークフロー
カットページは、DaVinci Resolve 16 で追加された比較的新しいページです。「とにかく素早くカット編集を終わらせたい」というワークフローに最適化されています。
カットページの特徴
カットページの画面は、上部にソースビューア、下部にデュアルタイムラインが配置されています。このデュアルタイムラインが最大の特徴で、上段でプロジェクト全体を俯瞰しながら、下段で編集ポイント周辺を拡大して細かい操作ができます。
基本的なカット編集の流れ
- 素材の選択: メディアプールからクリップを選ぶ
- イン・アウト点の設定: ソースビューアで使いたい部分の開始点(I キー)と終了点(O キー)を設定
- タイムラインへの挿入: 「スマートインサート」「末尾に追加」「リップル上書き」など、目的に応じた挿入方法を選択
- 不要部分のカット: 再生ヘッドを移動し、分割(Ctrl/Cmd + B)して不要クリップを削除
カットページが向いている作業
- YouTube動画のラフカット(素材の取捨選択)
- Vlog のつなぎ編集
- 短尺コンテンツの素早い組み立て
- 大量素材からの選別作業
自分もYouTubeチャンネルの編集で、まずカットページでざっくり素材を並べてから、エディットページで仕上げるという2段階ワークフローを採用しています。この流れにしてから編集時間が体感で3割ほど短縮できました。
エディットページ — タイムライン編集の基本操作
エディットページは、DaVinci Resolve の中核となる編集ページです。他の動画編集ソフトの経験がある方なら、もっとも馴染みのある画面レイアウトでしょう。
画面構成
- 左上: メディアプール / エフェクトライブラリ
- 中央上: ソースビューア / タイムラインビューア
- 下部: タイムライン(ビデオトラック + オーディオトラック)
- 右上: インスペクタ(選択クリップの詳細設定)
タイムライン操作の基本
タイムラインでの基本操作は以下の通りです。
クリップの配置と移動: メディアプールからクリップをタイムラインにドラッグするか、ソースビューアでイン・アウト点を設定して挿入します。配置後のクリップはドラッグで移動できます。
トリミング: クリップの端をドラッグすると長さを調整できます。トリムモード(T キー)に切り替えると、リップルトリムやスリップなど高度なトリミングが可能になります。
トランジション: クリップの境界にトランジション(場面転換効果)を追加できます。エフェクトライブラリの「ビデオトランジション」から選んでドラッグするか、クリップの境界を選択して Ctrl/Cmd + T でデフォルトのクロスディゾルブを適用できます。
テロップの追加
エディットページでは、テキスト(テロップ)の追加も簡単です。エフェクトライブラリの「タイトル」から「テキスト+」をタイムラインにドラッグし、インスペクタでフォント、サイズ、色などを設定します。
テロップ作成を本格的に効率化したい方は、あらかじめデザインされたテンプレートを使うのが時短のコツです。テロップライブラリ プロのようなテンプレート集を使えば、テレビ番組風のテロップをドラッグ&ドロップだけで挿入でき、毎回ゼロからデザインする手間が省けます。
インスペクタの活用
タイムライン上のクリップを選択した状態で、画面右上のインスペクタを開くと、そのクリップの詳細なパラメータを調整できます。
- ビデオ: 位置、サイズ、回転、クロップ、不透明度
- オーディオ: ボリューム、パン、ピッチ
- 速度変更: クリップの再生速度を変更(スローモーション / 早送り)
- スタビライゼーション: 手ブレ補正
Fairlight ページ — 音声編集の基本
Fairlight ページは音声編集に特化したページです。映像編集ソフトに本格的なDAW(デジタルオーディオワークステーション)機能が統合されているのは、DaVinci Resolve の大きな強みです。
Fairlight で行う主な作業
ノイズ除去: エアコンの音、ホワイトノイズなど、収録時に入り込んだ環境音を軽減できます。Fairlight FX の中にあるノイズリダクションを使えば、かなりクリーンな音声に仕上がります。
音量の均一化(ノーマライズ): 複数クリップ間の音量差を揃える作業です。クリップを選択して右クリック →「オーディオレベルをノーマライズ」で一括調整できます。YouTube動画では -14 LUFS 前後を目安にすると、視聴者にとって聴きやすい音量になります。
EQ(イコライザー)調整: 声の明瞭さを改善するための周波数調整です。ナレーション音声であれば、100Hz以下をカット(ハイパスフィルター)するだけで、こもった印象がかなり解消されます。
コンプレッサー: 音量の大小差を縮めて聞きやすくする処理です。声が急に大きくなったり小さくなったりする問題を緩和できます。
音声編集のコツ
認定トレーナーとして多くの受講者を見てきた中で、初心者の方がもっとも見落としがちなのが音声のクオリティです。映像が多少粗くても視聴者は見てくれますが、音声が聞きづらいと離脱率が一気に上がります。Fairlight ページでの音声調整は、面倒に感じても必ず工程に組み込むことをおすすめします。
デリバーページ — 書き出し設定とおすすめフォーマット
編集が完了したら、デリバーページで動画ファイルとして書き出します。ここでの設定次第で、最終的なファイルサイズや画質が大きく変わるため、目的に応じた適切な設定を知っておくことが重要です。
YouTube 向けのおすすめ書き出し設定
もっとも多い用途であろうYouTubeへのアップロード用の設定です。
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| フォーマット | QuickTime または MP4 |
| コーデック | H.264 または H.265 |
| 解像度 | 1920×1080(フルHD)または 3840×2160(4K) |
| フレームレート | ソースと同じ(通常 24/30/60fps) |
| 品質 | 「制限」で 20,000〜35,000 Kb/s(1080p の場合) |
注意: 無料版では H.265 エンコードは利用できません(Studio限定)。また、無料版は 8-bit H.264 のみ対応で、10-bit 出力には Studio が必要です。
SNS 向けの設定ポイント
Instagram リール、TikTok、YouTube ショートなど縦型動画の場合は、解像度を 1080×1920 に設定します。デリバーページのタイムライン解像度設定で変更するか、あらかじめプロジェクト設定でカスタム解像度を指定しておきましょう。
書き出しの手順
- デリバーページに移動
- 画面上部のプリセットから用途に近いものを選択(YouTube、Vimeo 等)
- 必要に応じて設定を微調整
- ファイル名と保存先を指定
- 「レンダーキューに追加」をクリック
- 「すべてレンダー」で書き出し開始
初心者がつまずきやすいポイントと解決策
5年以上にわたり初心者の方に教えてきた経験から、特につまずきやすいポイントをまとめました。
プロジェクト設定とフレームレートの不一致
もっとも多いトラブルが、プロジェクトのフレームレートと素材のフレームレートが合っていないケースです。プロジェクト作成時にフレームレートが自動設定されますが、最初にタイムラインに配置する素材のフレームレートに合わせるのが基本です。
解決策: 新規プロジェクト作成後、最初にメイン素材をタイムラインに配置すると「プロジェクト設定を変更しますか?」と確認ダイアログが表示されます。ここで「変更」を選べば自動的に一致します。
動作が重い・プレビューがカクつく
高解像度の素材や、複数のエフェクトを重ねた状態でプレビューが重くなるのは、よくある問題です。
解決策: 以下の対処法を順に試してみてください。
- 最適化メディアの生成: 素材を右クリック →「最適化メディアを生成」で低解像度の作業用ファイルを作成
- プロキシモード: 再生 →「プロキシモード」→「Half Resolution」に設定
- タイムライン解像度の変更: 編集中は解像度を下げて作業し、書き出し時に元に戻す
- キャッシュの削除: 再生 →「レンダーキャッシュを削除」→「すべて」
音声と映像がズレる
音ズレの原因は多くの場合、フレームレートの不一致か、可変フレームレート(VFR)の素材を使っていることです。スマートフォンで撮影した動画はVFRであることが多いため注意が必要です。
解決策: VFR素材の場合は、事前にHandBrakeなどの無料ツールで固定フレームレート(CFR)に変換してから読み込むのが確実です。
書き出した動画の画質が悪い
デリバーページの設定で品質が低すぎるか、解像度が意図したものと異なっている可能性があります。
解決策: 品質設定で「自動」ではなく「制限」を選び、ビットレートを手動で指定しましょう。1080p の YouTube 動画であれば 20,000 Kb/s 以上を目安にすると、十分な画質を維持できます。
効率化のためのキーボードショートカット
DaVinci Resolve での編集スピードを劇的に上げるのが、キーボードショートカットの活用です。最初は覚えるのが大変ですが、よく使うものから少しずつ覚えていくと、マウス操作が減って作業効率が大きく向上します。
必須ショートカット(まず覚えるべき10個)
| 操作 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 再生 / 停止 | Space | Space |
| イン点を設定 | I | I |
| アウト点を設定 | O | O |
| クリップを分割 | Ctrl + B | Cmd + B |
| 元に戻す | Ctrl + Z | Cmd + Z |
| タイムラインの拡大 | Ctrl + = | Cmd + = |
| タイムラインの縮小 | Ctrl + - | Cmd + - |
| タイムライン全体を表示 | Shift + Z | Shift + Z |
| 選択したクリップを削除 | Delete | Delete |
| リップル削除 | Backspace | Fn + Delete |
編集モード切り替え
| モード | キー | 用途 |
|---|---|---|
| 選択モード | A | クリップの選択・移動 |
| トリムモード | T | クリップのトリミング |
| ブレードモード | B | クリップの分割(クリックで切断) |
効率化のヒント
ショートカットをすべて暗記する必要はありません。まずは「再生/停止」「イン/アウト」「分割」「元に戻す」の4つだけ覚えれば、基本的なカット編集はこなせます。残りは作業中に「この操作、もっと速くできないかな」と思ったタイミングで一つずつ追加していくのが自然な習得法です。
DaVinci Resolve のメニューバーからは、ショートカットのカスタマイズも可能です。自分の手に馴染む配置に調整すると、さらに快適になります。
まとめ — 要点を行動に
DaVinci Resolve は機能が豊富なぶん最初は圧倒されますが、各ページの役割を理解すればシンプルです。
- メディアページ: 素材を読み込んでビンで整理する
- カットページ: ざっくりとしたカット編集を素早く行う
- エディットページ: テロップや細かい調整を含む本格的な編集をする
- Fairlightページ: 音声のノイズ除去や音量調整で仕上げる
- デリバーページ: 目的に合った設定で書き出す
最初のステップとして、まずは短い動画(30秒〜1分程度)を1本、読み込みから書き出しまで通して作ってみてください。完璧を目指す必要はありません。一通りの流れを体験することが、DaVinci Resolve を使いこなす一番の近道です。
テロップ作成に時間がかかって困っている方は、テロップライブラリ プロも活用してみてください。300種類のテンプレートから選ぶだけで、プロ品質のテロップをすぐに使えます。
よくある質問
DaVinci Resolve の無料版でYouTube動画を作れますか?
はい、無料版だけで十分にYouTube動画を制作できます。カット編集、テロップ挿入、音声調整、書き出しなど基本的な機能はすべて無料版に含まれています。4K編集にも対応しているため、多くのYouTuberが無料版で活動しています。
DaVinci Resolve が重い・カクつく場合の対処法は?
まず最適化メディアの生成を試してください。メディアプールで素材を右クリックし「最適化メディアを生成」を選択します。また、プロキシモードの活用、タイムライン解像度の一時的な引き下げ、不要なクリップのキャッシュ削除なども効果的です。GPUドライバの更新も忘れずに行いましょう。
DaVinci Resolve で最初に覚えるべき操作は何ですか?
まずメディアページでの素材読み込み、次にカットページでのざっくりとしたカット編集、最後にデリバーページでの書き出しの3ステップを覚えましょう。この流れだけで基本的な動画は完成します。慣れてきたらエディットページでの細かい編集やFairlightでの音声調整に進むのがおすすめです。





