DaVinci Resolve データベース管理 完全ガイド
DaVinci Resolveのデータベースはプロジェクト情報を一元管理する仕組みで、定期バックアップと適切な運用がデータ消失を防ぐ最善策です。
はじめに
DaVinci Resolveで編集を続けていて、ある日突然プロジェクトが見つからなくなった。あるいは、新しいPCに買い替えたときにプロジェクトの移行方法がわからない。そんな経験や不安を感じたことはありませんか?
DaVinci Resolveは他の動画編集ソフトと違い、プロジェクトを「データベース」という仕組みで管理しています。この仕組みを理解しておかないと、大事なプロジェクトを失うリスクがあります。逆に、正しく理解しておけば、バックアップも移行もスムーズにできるようになります。
DaVinci Resolve認定トレーナーとして延べ1万人以上の受講者にプロジェクト管理を教えてきた経験をもとに、データベースの基礎から実践的な運用方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
DaVinci Resolveのデータベースとは何か
プロジェクトファイルとデータベースの関係
Premiere ProやFinal Cut Proでは、プロジェクトを個別のファイルとして保存します。.prprojや.fcpbundleといったファイルを好きなフォルダに置いて管理するスタイルですよね。
DaVinci Resolveはこのアプローチとは異なります。プロジェクトは「データベース」という入れ物の中にまとめて格納されます。ひとつのデータベースの中に複数のプロジェクトが入っている、というイメージです。
ここで押さえておきたいのは、データベースに保存されるのはあくまで「編集情報」だけという点です。タイムラインの構成、適用したエフェクト、カラー設定、テキストの内容などがデータベースに記録されます。動画や音声などのメディアファイル自体はデータベースには含まれません。メディアファイルへの参照パス(リンク情報)が記録されているだけです。
つまり、データベースをバックアップしても、メディアファイルは別途管理が必要だということを忘れないでください。
ディスクデータベースとPostgreSQLの違い
DaVinci Resolveには2種類のデータベースがあります。
ディスクデータベースは、ローカルのハードディスク上にファイルとして保存される形式です。DaVinci Resolveをインストールすると自動的に作成される「Local Database」がこれに該当します。個人で使う分にはこの形式で十分ですし、大半のユーザーはこちらを使っています。
PostgreSQLデータベースは、データベースサーバーを別途立てて、そこにプロジェクト情報を保存する形式です。複数のPCから同じプロジェクトにアクセスする必要があるチーム制作では、PostgreSQLが選択肢に入ってきます。
認定トレーナーとして教えている受講者の方にも「PostgreSQLを使ったほうがいいですか?」と聞かれることがありますが、個人制作や少人数チームであればディスクデータベースで問題ありません。PostgreSQLはサーバーのセットアップや運用知識が必要になるため、明確なニーズがある場合にのみ検討すれば大丈夫です。
データベースの基本操作
新規データベースの作成
DaVinci Resolveを起動してプロジェクトマネージャー画面を開くと、左側にデータベース一覧が表示されます。
新しいデータベースを作成する場面としては、案件ごとにプロジェクトを分けたいとき、個人用と仕事用を分離したいときなどが典型的です。用途別にデータベースを分けておくと、プロジェクトが増えてきたときに探しやすくなります。
データベースの作成自体は簡単で、プロジェクトマネージャーの「新規データベース」から名前と保存先を指定するだけです。保存先は外付けSSDなどアクセスの速いストレージを選ぶと、プロジェクトの読み込みも快適になります。
バックアップと復元の考え方
データベースのバックアップは、DaVinci Resolveのプロジェクトマネージャーから直接行えます。データベースを右クリックして「バックアップ」を選択すると、.resolve.backup(ディスクDB)または.resolve.diskdbファイルが生成されます。
バックアップファイルにはデータベース内の全プロジェクト情報が含まれています。復元するときは「データベースを復元」からバックアップファイルを指定するだけです。
5,000本以上のプラグインを販売してきた中で、お客様から「プロジェクトが消えてしまった」というお問い合わせを受けることがあります。原因を聞いてみると、バックアップを一度も取ったことがなかったというケースがほとんどです。バックアップは数クリックで終わる作業なので、週に1回、あるいは大きな編集作業の前後には必ず実行する習慣をつけましょう。
データベース間のプロジェクト移動
「このプロジェクトを別のデータベースに移したい」という場面もあります。たとえば、ローカルDBにあるプロジェクトを案件別DBに整理し直したいときなどです。
方法は2つあります。ひとつはプロジェクトの「エクスポート」機能を使う方法。プロジェクトを.drpファイルとして書き出し、移動先のデータベースで「インポート」します。もうひとつは、プロジェクトマネージャー上でドラッグ&ドロップする方法。同じ画面にデータベースが複数表示されていれば、プロジェクトを直接移動できます。
どちらの方法でも、メディアファイルは移動されない点に注意してください。メディアのリンク切れが起きた場合は、メディアプールから「メディアの再リンク」で元のファイルを指定し直します。
よくあるトラブルと対処の考え方
プロジェクトが見つからない場合
プロジェクトマネージャーを開いたらプロジェクトが表示されない。焦りますよね。でもまず落ち着いてください。
もっとも多い原因は「別のデータベースを見ている」ことです。データベースが複数ある場合、現在選択しているデータベースにそのプロジェクトが入っていなければ当然表示されません。左側のデータベース一覧を確認し、ひとつずつ切り替えて探してみてください。
次に考えられるのは、DaVinci Resolveのアップデート後にデータベースの場所がリセットされているケースです。この場合は「データベースを接続」から、以前使っていたデータベースファイルの場所を手動で指定し直します。
データベースが破損した場合
まれにデータベースの破損が起きることがあります。PCの強制終了や停電が原因になることが多いです。
破損した場合、まずバックアップからの復元を試みます。バックアップがない場合でも、DaVinci Resolveはプロジェクトごとの自動保存(ライブセーブ)機能を持っているため、個別プロジェクトの.drpファイルがタイムラインバックアップフォルダに残っている可能性があります。
延べ1万人以上の受講者を教えてきた中で、データベース破損に遭遇した方は実際にいましたが、定期バックアップを取っていた方は全員、数分で復旧できていました。一方、バックアップがない状態で破損が起きると、復旧は非常に困難です。
複数PCでプロジェクトを共有する方法
自宅のデスクトップとノートPCなど、複数のマシンでプロジェクトを共有したい場合の選択肢を整理します。
個人利用の場合: プロジェクトを.drpファイルとしてエクスポートし、クラウドストレージやUSBメモリで移動先のPCに渡す方法がもっともシンプルです。メディアファイルも一緒に移動するか、両方のPCからアクセスできる共有ストレージに置いておく必要があります。
チーム制作の場合: PostgreSQLデータベースをネットワーク上に設置し、各PCから接続する方法が正攻法です。ただしサーバー管理のスキルが求められるため、小規模チームであればプロジェクトファイルの受け渡しで運用するほうが現実的なケースも多いです。
データベース管理のベストプラクティス
ここまでの内容を踏まえて、日常的に実践したいベストプラクティスをまとめます。
用途別にデータベースを分ける: 個人作品用、クライアントワーク用、テスト用など、目的別にデータベースを作成しておくと管理が楽になります。ひとつのデータベースにプロジェクトが100個以上入っていると、探すのも読み込みも大変です。
バックアップを定期的に取る: 最低でも週1回。大きな編集の前後にも取る。外付けストレージやクラウドに保存しておけば、PC自体が壊れても安心です。
プロジェクトのエクスポートも併用する: データベースのバックアップに加えて、特に大事なプロジェクトは個別に.drpファイルとしてエクスポートしておくと、いざというとき別のデータベースにすぐインポートできます。
メディアファイルの保存場所を一貫させる: メディアファイルをあちこちのフォルダに散らばらせると、リンク切れの原因になります。案件ごとにフォルダ構成を統一しておくのがおすすめです。
不要なプロジェクトは整理する: 完了したプロジェクトはエクスポートしてアーカイブ用ストレージに移し、データベースからは削除する。データベースが軽くなり、起動も速くなります。
まとめ — 日頃のバックアップ習慣がプロジェクトを守る
DaVinci Resolveのデータベースは、プロジェクト情報を一元管理するための仕組みです。個人利用ならディスクデータベースで十分ですし、操作自体もシンプルです。
ただし、バックアップを怠ると、PCトラブルやデータベース破損で編集データを丸ごと失うリスクがあります。定期バックアップと、大事なプロジェクトの個別エクスポートを習慣化しておけば、万一のときにも慌てずに復旧できます。
データベース管理は地味な作業ですが、プロジェクトを守るための最も確実な方法です。まだバックアップを取ったことがない方は、今日この記事を読み終わったら、まずひとつバックアップを作るところから始めてみてください。
DaVinci Resolveの基本的な機能や無料版・有料版の違いについてはDaVinci Resolve無料版と有料版(Studio)の違いを徹底比較もあわせてご覧ください。プラグインの活用でワークフローをさらに効率化したい方はDaVinci Resolveおすすめプラグインも参考になるはずです。
よくある質問
DaVinci Resolveのデータベースにはメディアファイルも保存されていますか?
いいえ、データベースにはプロジェクト設定・タイムライン・エフェクト情報などの編集データのみが保存されます。動画や音声などのメディアファイルは元のフォルダに残ったままで、データベースにはその参照パス(リンク情報)だけが記録されています。
ディスクデータベースとPostgreSQLデータベースはどちらを使うべきですか?
個人制作であればディスクデータベースで十分です。PostgreSQLは複数人で同時にプロジェクトへアクセスする必要があるチーム制作向けの選択肢です。セットアップや運用にサーバーの知識が必要になるため、明確なニーズがない限りディスクDBをおすすめします。
データベースのバックアップはどのくらいの頻度で取るべきですか?
プロジェクトの進行頻度によりますが、最低でも週に1回、大きな編集作業の前後にはその都度バックアップを取ることをおすすめします。DaVinci Resolveのバックアップ機能を使えば数クリックで完了するため、習慣にしてしまうのがベストです。





