DaVinci Resolveで最初の動画を完成させるまでの考え方
DaVinci Resolveで最初の動画を完成させるには、カット編集だけに集中し、凝った演出は後回しにして「まず1本完成させる」ことを最優先にする。
はじめに
DaVinci Resolveをインストールしたものの、画面を開いて固まってしまった経験はないでしょうか。メニューの数が多すぎる、ページがたくさんある、何から手をつけていいかわからない。そんな状態で「まず1本動画を作ってみよう」と言われても、どうすればいいのかわかりませんよね。
DaVinci Resolveはプロの映画制作にも使われるほど多機能なソフトウェアです。しかし、最初の動画を作るのに、そのすべての機能を使う必要はありません。
私はDaVinci Resolve認定トレーナーとして、延べ1万人以上に動画編集を教えてきました。その中で最も多かった質問が「最初は何をすればいいですか?」です。この記事では、操作手順ではなく「考え方」に焦点を当てて、最初の動画を完成させるまでのワークフローを紹介します。
DaVinci Resolveで動画を作る全体の流れ
まず、DaVinci Resolveで動画を完成させるまでの全体像を把握しましょう。全体の流れがわかっていれば、「今どの段階にいるのか」「次に何をすればいいのか」が明確になり、迷いが減ります。
素材の取り込みから書き出しまでの6ステップ
動画制作のワークフローは、大きく6つのステップに分けられます。
| ステップ | 作業内容 | 使用するページ |
|---|---|---|
| 1. 素材の取り込み | 撮影した動画・音声ファイルをプロジェクトに読み込む | メディア or カット |
| 2. 素材の整理 | 使う素材と使わない素材を選別し、順番を考える | メディア or カット |
| 3. カット編集 | 不要な部分を削除し、使いたい部分をつなげる | カット or エディット |
| 4. テロップ・BGM追加 | テキストや音楽を入れる | エディット |
| 5. カラー補正 | 映像の色味を整える(任意) | カラー |
| 6. 書き出し | 完成した動画をファイルとして出力する | デリバー |
最初の動画では、ステップ1〜3と6ができれば十分です。テロップやBGM、カラー補正は「あれば良い」程度に考えてください。まず「素材を取り込んで、カットして、書き出す」という最短ルートで1本完成させることが目標です。
初心者が最初に使うべきページ
DaVinci Resolveには、メディア、カット、エディット、Fusion、カラー、Fairlight、デリバーの7つのページがあります。それぞれ異なる役割を持っていますが、すべてを最初から覚える必要はありません。
初心者にまず使ってほしいのは、カットページです。
カットページは、素材の取り込みからカット編集、書き出しまでをシンプルなインターフェースで行えるように設計されたページです。エディットページよりも機能が絞られている分、迷いが少なくなります。
「カットページで慣れてからエディットページに移る」という流れが、延べ1万人以上に教えてきた中で最もスムーズに上達するパターンでした。最初からエディットページを使おうとすると、機能の多さに圧倒されて手が止まってしまう人が多いのです。
最初の動画で押さえるべき3つのポイント
最初の動画で大事なのは、クオリティではなく「完成させること」です。そのために、意識すべきポイントを3つに絞りました。
カット編集だけで十分 — 凝った演出は後回し
動画編集と聞くと、エフェクトやトランジション、モーショングラフィクスなど、華やかな演出をイメージするかもしれません。しかし、最初の動画でそこまでやる必要はまったくありません。
カット編集とは、撮影した素材から不要な部分を削除し、残したい部分をつなげる作業のことです。この「切って、つなげる」だけで、十分に見られる動画になります。
実際、YouTubeで人気のある多くの解説系チャンネルは、カット編集が中心です。派手な演出よりも、内容の質と話のテンポのほうが、視聴者の満足度に直結します。
私のチャンネルでも、初期の動画はカット編集だけで作っていました。テロップやエフェクトを取り入れ始めたのは、20〜30本投稿した後です。まずカット編集をしっかりできるようになることが、すべての土台になります。
テロップは最小限でOK
テロップ(字幕テキスト)は動画の見栄えを良くしますが、最初の動画では最小限で問題ありません。
もしテロップを入れるなら、以下の優先順位で考えてください。
- 動画のタイトルテロップ: 冒頭に動画のタイトルを表示する
- キーポイントの強調: 特に伝えたいポイントだけテキストで表示する
- フル字幕: 話している内容をすべてテキスト化する(最初は不要)
フル字幕は編集時間が大幅に増えるため、最初の動画では避けることをおすすめします。まずは「カット編集 + タイトルテロップ」だけで完成させましょう。
BGMを1曲入れるだけで印象が変わる
BGM(バックグラウンドミュージック)は、動画の雰囲気を決定づける要素です。映像だけの動画と、適切なBGMが入った動画では、視聴者に与える印象がまるで違います。
最初の動画では、1曲だけBGMを入れてみましょう。YouTubeオーディオライブラリなど、著作権フリーの音源を使えば安全です。
BGMを入れるときのポイントは、音量を小さめに設定することです。話し声が聞こえにくくなるほどBGMが大きいのは、初心者がよくやる失敗パターンのひとつです。話し声の邪魔にならない程度に、BGMは控えめに設定してください。
初心者が陥りがちな落とし穴
DaVinci Resolveで最初の動画を作るとき、多くの初心者がはまる落とし穴があります。事前に知っておけば回避できるので、ぜひ覚えておいてください。
機能が多すぎて迷子になる問題
DaVinci Resolveは映画制作にも使われるプロ仕様のソフトウェアです。当然、機能は膨大です。7つのページ、無数のメニュー項目、カスタマイズ可能なインターフェース。初心者が「すべてを理解してから始めよう」とすると、永遠に始められません。
解決策はシンプルです。最初はカットページだけを使う。他のページは存在を知っておくだけで十分です。カットページで基本的な編集ができるようになったら、エディットページ、カラーページと段階的に使うページを増やしていけばいいのです。
1万人以上に教えてきた経験から言えるのは、「まず全体を理解しようとする人」よりも「まず触ってみる人」のほうが圧倒的に上達が早いということです。
完璧主義で完成できない問題
「もうちょっとここを直したい」「このカットのタイミングがしっくりこない」「テロップのフォントが気に入らない」
こうした細部へのこだわりは、動画のクオリティを上げるうえでは必要です。しかし、最初の段階では「完成させること」が最優先です。完璧を追求して未完成のまま放置するよりも、70%の出来でも完成させて公開するほうが、はるかに多くのことを学べます。
最初の動画は練習作品です。10本、20本と作り続ける中で、クオリティは自然と上がっていきます。
書き出し設定で詰まる問題
動画を編集し終えた後、デリバーページで書き出し設定をするときに詰まる初心者は少なくありません。フォーマット、コーデック、解像度、ビットレート......聞き慣れない用語が並び、どれを選べばいいかわからなくなります。
最初の書き出しで迷ったら、以下の設定で問題ありません。
- フォーマット: MP4
- コーデック: H.264
- 解像度: 1920 x 1080(フルHD)
- フレームレート: 撮影時と同じ(通常は24fps、30fps、または60fps)
YouTubeにアップロードする動画なら、この設定で十分です。細かい設定の最適化は、経験を積んでからで遅くありません。
最初の動画を完成させた後にやること
1本目の動画を完成させたら、次のステップに進みましょう。ここからがチャンネル成長のスタートラインです。
振り返りと改善ポイントの見つけ方
最初の動画を書き出したら、一度通して見返してみてください。以下の視点でチェックすると、次の動画での改善点が見つかります。
- 音声は聞き取りやすいか: BGMとのバランスは適切か
- テンポは良いか: 不要な間や冗長な部分がないか
- 伝えたいことが伝わっているか: 見返して内容が理解できるか
最初の動画は完璧でなくて当然です。「次はここを直そう」というポイントが見つかること自体が、成長の証です。
2本目以降のステップアップ
1本目でカット編集の流れを掴んだら、2本目以降で少しずつ新しいスキルを加えていきましょう。
- 2〜5本目: テロップの追加、BGMの調整に挑戦
- 5〜10本目: エディットページの基本操作を覚える
- 10本目以降: カラー補正、トランジション、エフェクトを少しずつ取り入れる
一度にすべてを覚えようとせず、1本ごとに1つの新しいスキルを加えるくらいのペースが、最も効率よく上達するリズムです。
まとめ — まず1本完成させることがすべての始まり
DaVinci Resolveで最初の動画を完成させるためのポイントを振り返ります。
- 全体の流れを把握する: 素材取り込み→カット編集→書き出しの最短ルートで1本完成させる
- カットページから始める: 7つのページを全部覚えようとしない
- カット編集だけで十分: テロップやエフェクトは慣れてから
- 完璧を目指さない: 70%の出来で完成させて公開する
- 書き出しはMP4 / H.264 / フルHDでOK: 細かい最適化は後回し
最初の1本は、今後のすべての動画の出発点です。うまくいかなくても、完成させたという事実が自信になり、次の1本を作る原動力になります。DaVinci Resolveの機能を深く学びたくなったら、プラグインやテンプレートを活用してワークフローを効率化する方法もあります。まずは今日、素材を取り込んで、カットして、書き出してみてください。
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よくある質問
DaVinci Resolveの無料版でも動画は作れますか?
はい、無料版で十分に動画を作れます。カット編集、テロップ挿入、BGMの追加、カラー補正、書き出しまで、動画制作に必要な基本機能はすべて無料版に含まれています。有料のStudio版は4K以上の書き出しや一部の高度なエフェクトが必要になったときに検討すれば十分です。
DaVinci Resolveのどのページから使い始めればいいですか?
初心者にはカットページがおすすめです。エディットページよりもシンプルなインターフェースで、素材の取り込みからカット編集、書き出しまでを1つのページ内で完結できます。慣れてきたらエディットページに移行し、より細かい編集を行いましょう。
最初の動画はどれくらいの長さがいいですか?
3〜5分程度がおすすめです。短すぎると内容が薄くなり、長すぎると編集作業の負担が大きくなります。最初は短い動画で編集の一連の流れを体験し、慣れてきてから徐々に長い動画に挑戦するのが効率的です。





