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H.264とH.265(HEVC)の違いと書き出し設定の選び方

公開: 2026年2月20日最終更新: 2026年7月17日
この記事の要点

H.265はH.264より同画質でファイルが小さいが、互換性と速度の制約があるため用途で使い分けるのが正解。

目次

  • はじめに
  • H.264とH.265の基本的な違い
  • H.264|広く普及した標準コーデック
  • H.265(HEVC)|同画質でファイルサイズが約半分
  • 比較表|画質・ファイルサイズ・互換性・エンコード速度
  • どっちを選ぶ?H.264とH.265の使い分け基準
  • YouTube用途|エンコード速度と確実性ならH.264
  • SNS投稿・クライアント納品|再生互換性を最優先
  • アーカイブ・マスター保存|容量重視ならH.265を検討
  • H.265が「重い・遅い」と感じる理由
  • エンコード処理の負荷がH.264より高い
  • ハードウェアエンコードで速度を補う方法
  • H.265が再生できない環境への対処法
  • Windows・macOSのH.265サポート状況
  • 納品時にH.264を選ぶべきケース
  • まとめ|用途に合わせてH.264とH.265を使い分けよう

はじめに

先に結論をお伝えします。書き出しコーデックで迷ったらH.264が安全です。ほぼすべてのデバイスで再生でき、エンコードも速いためです。一方、同じ画質でファイルサイズを約半分にしたい場合(アーカイブ保存や4K動画の容量節約)はH.265(HEVC)が有力な選択肢になります。

H.264とH.265はどちらも映像を圧縮するためのコーデック(圧縮規格)ですが、ファイルサイズ、画質、エンコード速度、再生互換性のバランスが異なります。この記事では「どちらを選ぶべきか」の判断基準を、画質・サイズ・互換性・速度の4つのトレードオフから整理します。用途によって最適な選択が変わるので、違いを理解しておくと書き出しで迷わなくなります。


H.264とH.265の基本的な違い

H.264|広く普及した標準コーデック

H.264(別名AVC)は、2003年に策定された映像圧縮規格です。20年以上の歴史があり、現在もっとも広く使われているコーデックです。

ほぼすべてのデバイス、ブラウザ、動画プレイヤーで再生可能な高い互換性が最大の強みです。YouTube、SNS、Webブラウザなど、どこに出しても再生できる安心感があります。エンコード速度もH.265と比べて速く、書き出し時間を短縮したい場合に有利です。

H.265(HEVC)|同画質でファイルサイズが約半分

H.265(別名HEVC: High Efficiency Video Coding)は、H.264の後継として策定されたコーデックです。H.264と比べて、同じ画質を維持しながらファイルサイズを約40〜50%削減できるのが最大の特徴です。

4Kや8Kなど高解像度の映像では、ファイルサイズの差がより顕著になります。ストレージの節約やアップロード時間の短縮を考えると、H.265のメリットは大きいです。

ただし、H.265のエンコード処理はH.264より複雑で、書き出しに時間がかかります。また、再生環境によっては対応していないケースもあります。

比較表|画質・ファイルサイズ・互換性・エンコード速度

項目 H.264 H.265(HEVC)
圧縮効率 標準 H.264の約1.5〜2倍
ファイルサイズ 大きめ 同画質で約半分
エンコード速度 速い 遅い(1.5〜3倍程度)
再生互換性 ほぼすべてのデバイスで対応 一部非対応環境あり
4K対応 可能だがファイルが大きい 4K以上で特にメリット大
ハードウェア対応 広く対応 最近のGPUで対応(NVENC等)

コーデックそのものの仕組み(映像品質・ファイルサイズ・編集負荷の関係)については「コーデックとは?映像品質・ファイルサイズ・編集負荷の関係」で解説しています。


どっちを選ぶ?H.264とH.265の使い分け基準

YouTube用途|エンコード速度と確実性ならH.264

YouTubeにアップロードする動画は、YouTube側でVP9やAV1に再エンコードされます。つまり、アップロード時のコーデックは最終的な視聴画質に直接影響するわけではありません。

それを踏まえると、YouTube用途では以下の考え方が合理的です:

  • H.264: エンコードが速く、アップロードまでの時間を短縮したい場合に最適。ビットレートを十分に確保すれば画質の心配は不要
  • H.265: ファイルサイズを抑えたい場合や、アップロード帯域を節約したい場合に有効

延べ5,000本以上のプラグインを販売する中で制作してきたプロモーション動画やチュートリアル動画では、YouTube向けの書き出しはH.264を基本にしています。エンコード速度の速さと、万が一の互換性トラブルがないことを優先しているためです。

SNS投稿・クライアント納品|再生互換性を最優先

SNSへの投稿やクライアントへの動画納品では、互換性が重要です。相手の再生環境が不明な場合は、H.264を選んでおくのが安全です。

特にクライアント納品では、「ファイルが再生できない」というトラブルは信用に関わります。事前に納品フォーマットを確認するのがベストですが、指定がない場合はH.264のMP4形式がもっとも無難です。

アーカイブ・マスター保存|容量重視ならH.265を検討

完成した作品を長期保存する場合は、ストレージ容量との兼ね合いでH.265を検討する価値があります。同画質でファイルサイズが約半分になるため、大量のアーカイブを保管する際のコスト削減効果は大きいです。

ただし、理想的なマスター保存のワークフローは以下です:

  1. マスター: ProRes、DNxHR、またはDaVinci Resolveのタイムライン形式で保存
  2. 配信用: H.264またはH.265で書き出し

編集用のマスターファイルは非圧縮に近いコーデックで残し、配信用・納品用にH.264/H.265で書き出す2段構えがもっとも安心です。

DaVinci Resolveのデリバーページで実際にコーデックを選ぶ際の設定項目の意味や選び方は「DaVinci Resolveの書き出し戦略」で詳しく解説しています。


H.265が「重い・遅い」と感じる理由

エンコード処理の負荷がH.264より高い

H.265がH.264より書き出しに時間がかかるのは、圧縮アルゴリズムがより複雑だからです。H.265はフレーム間予測やブロック分割の処理がH.264より高度で、同じ画質をより小さいファイルに収めるためにCPU/GPUに高い負荷がかかります。

認定トレーナーとしてワークショップで受講者の方と一緒に書き出しテストを行うことがありますが、同じ設定でH.264とH.265を比較すると、H.265のほうが1.5倍から3倍程度の時間がかかるケースが典型的です。

ハードウェアエンコードで速度を補う方法

H.265のエンコード速度の問題は、ハードウェアエンコーダーで大幅に改善できます。

  • NVIDIA GPU: NVENCによるH.265ハードウェアエンコード。RTXシリーズで特に高速
  • Apple Silicon: 内蔵Media EngineによるH.265エンコード。M1以降で対応
  • Intel CPU: Quick Sync VideoによるH.265エンコード

DaVinci Resolveの書き出し設定で、エンコーダーをソフトウェア(CPU)からハードウェア(GPU)に切り替えるだけで、H.265の書き出し速度が大幅に速くなります。ハードウェアエンコードを使えば、H.264とほぼ同程度の速度でH.265を書き出せる場合もあります。

書き出しが遅いと感じる場合の原因の切り分けは「動画の書き出しが遅い原因と改善の考え方」で詳しく解説しています。


H.265が再生できない環境への対処法

Windows・macOSのH.265サポート状況

macOSはHigh Sierra(10.13)以降でH.265のハードウェアデコードに対応しており、標準のQuickTimeプレイヤーでH.265ファイルを再生できます。

Windowsの場合、H.265の再生にはMicrosoft Storeから「HEVCビデオ拡張機能」のインストールが必要です。有料のアプリですが、一部のデバイスメーカーから無料版が配布されている場合もあります。VLCメディアプレイヤーなどのサードパーティ製プレイヤーを使えば、追加購入なしでH.265を再生できます。

納品時にH.264を選ぶべきケース

以下のケースでは、互換性を優先してH.264を選ぶのが賢明です:

  • 納品先の再生環境が不明な場合
  • 不特定多数に配布するファイルの場合
  • 古いデバイスやブラウザでの再生が想定される場合
  • クライアントから特にコーデックの指定がない場合

「H.265で書き出したのに相手が再生できなかった」というトラブルは、まだ完全には解消されていません。迷ったらH.264が安全牌です。


まとめ|用途に合わせてH.264とH.265を使い分けよう

H.264とH.265はどちらも優秀なコーデックです。大切なのは「どちらが優れているか」ではなく、用途に合った使い分けです。

用途別の推奨をまとめます:

用途 推奨コーデック 理由
YouTube H.264(H.265も可) エンコード速度と互換性を優先
SNS投稿 H.264 互換性が最重要
クライアント納品 H.264(指定がない場合) 再生トラブルの回避
アーカイブ保存 H.265 ストレージ節約
マスター保存 ProRes / DNxHR 品質を最優先

まずはH.264で問題なく運用できている方は、そのまま継続して大丈夫です。ストレージが逼迫してきたり、4K以上の書き出しが増えてきたタイミングで、H.265への移行を検討してみてください。


関連記事:

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machosuke

普通の会社員として働きながら、YouTubeチャンネル・プラグイン開発・講座・コンサルティングをすべて副業でゼロから立ち上げ。「普通の人でもできる」を体現しています。

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目次

  • はじめに
  • H.264とH.265の基本的な違い
  • H.264|広く普及した標準コーデック
  • H.265(HEVC)|同画質でファイルサイズが約半分
  • 比較表|画質・ファイルサイズ・互換性・エンコード速度
  • どっちを選ぶ?H.264とH.265の使い分け基準
  • YouTube用途|エンコード速度と確実性ならH.264
  • SNS投稿・クライアント納品|再生互換性を最優先
  • アーカイブ・マスター保存|容量重視ならH.265を検討
  • H.265が「重い・遅い」と感じる理由
  • エンコード処理の負荷がH.264より高い
  • ハードウェアエンコードで速度を補う方法
  • H.265が再生できない環境への対処法
  • Windows・macOSのH.265サポート状況
  • 納品時にH.264を選ぶべきケース
  • まとめ|用途に合わせてH.264とH.265を使い分けよう

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よくある質問

H.264とH.265のどちらがYouTubeに適していますか?

YouTubeはH.264・H.265のどちらでもアップロード可能で、サーバー側でVP9やAV1に再エンコードされます。H.264のほうがエンコード速度が速く互換性も高いため、特にこだわりがなければH.264で書き出すのが無難です。書き出し時間を気にせず最高画質を目指すならH.265も選択肢です。

H.265が再生できないのですが、どうすればいいですか?

Windowsの場合、Microsoft StoreからHEVCビデオ拡張機能をインストールすれば再生できるようになります。macOSはHigh Sierra以降であれば標準でH.265に対応しています。クライアントに納品する場合は、再生環境を確認するか、互換性の高いH.264で書き出すのが安全です。

アーカイブ保存にはH.264とH.265のどちらが良いですか?

長期保存にはH.265が適しています。同画質でファイルサイズが約半分になるため、ストレージコストを抑えられます。ただし、将来的な再生互換性を重視するなら、広く普及しているH.264も安全な選択です。ProResやDNxHRなどの編集コーデックでマスターを保存し、納品用にH.264/H.265で書き出すのが理想的です。

H.265のエンコードが遅いのですが、速くする方法はありますか?

H.265はH.264より圧縮効率が高い分、エンコードに時間がかかります。NVIDIA GPUのNVENCやApple SiliconのMedia Engineを使ったハードウェアエンコードを有効にすることで、エンコード速度を大幅に改善できます。DaVinci Resolveの書き出し設定でハードウェアエンコーダーを選択してください。

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